反抗期が変わる?!「子供の話にどんな返事をしていますか?」がおすすめ
子供に良い人生を歩んで欲しいと思っているのに、
あふれんばかりの愛情を持っているのに、
子供に全く伝わってない、うまくコミュニケーションをと感じる方にお勧めなのが、
『子供の話にどんな返事をしていますか? 親がこう答えれば、子供は自分で考えはじめる』(ハイム・G・ギノット 著 菅靖彦 訳)です。
「今は反抗期だから」、と思っていてもイライラしたり、ケンカばかりだと、毎日が楽しくないですよね?
反抗期も何回も来ますし、そんなにいつも我慢できませんよね。
この本を読むと、「親子喧嘩の原因は間違ったコミュニケーション?!」
と、はっと気づかされることが沢山あり、子供へのかかわり方が180℃変わります。
ではどんな本なのか、具体的に説明します。
この本はどんな本??
臨床心理学者で、子供セラピストである著者、ハイム・G・ギノットさんの親子関係に革命的変化を起こす本として、30か国で翻訳され、累計500万部を超えるベストセラーとなった本です。
親には、子供とのコミュニケーションのスキルが必要であることを、親子の会話の例で教えてくれる本です。
親子の会話で、子供の怒りをエスカレートさせる悪い例は、「えっ私の事??」というぐらい、
例と同じことをやっている自分に気づきました。
しかも、当たり前のしつけだと思ってやっていたことが、子供をエスカレートさせる原因だったなんて衝撃でした。
冒頭から共感の嵐で、「うん、うん、そうなのー」と、まるで、親の気持ちを代弁してくれているかのような文章に、カウンセリングを受けているかのような気分になります。
要するに、親のコミュニケーションスキルが上がれば、子供は親の愛情を感じて、自立心も芽生えすくすくと育ってくれるというのです。
しかも、本書の会話の例が、家族で絶対あるリアルな例なので、今日からそのまま使える実践的な親子のコミュニケーションの教科書と呼ぶべき本です。
ではいったい親子のコミュニケーションスキルとはどんなものなのでしょうか??
親子のコミュニケーションスキルとは??
本書の具体的な例で、「はっそうか!」と私が気づかされた部分をいくつか挙げます。
本書では、親子のコミュニケーションをとる上で、子供の状態をよく観察し、話に耳を傾け、子供の立場に立ち、理解を示すことが大切だと言っています。
「よく観察はできてないけど、だいたいは出来てるはず」と思っていました。
でも具体例を見て、悪い例が自分そのままだと気づかされました。
例えば、
1.親は「怖くないよー」と言いながら自己防衛している
子供が何かを怖がっている時、「大丈夫、怖くない怖くない」とか、
怒ってるときに、「そんなに怒らないの!」とか言ってしまいませんか??
子供は、怖い、腹が立つという感情を受け入れると安心して、気分を落ち着かせると本書にありましたが、
「怖いよね」とか「腹が立つよね」などというとよけい怖がって泣き出したり、腹を立てて暴れたりするんじゃないか、しいては自分がなだめるのに相当な労力を必要とするのではないかという自己防衛が無意識に働いて、
「怖くない怖くない」「痛くない痛くない」とか「怒らない」とか言ってしまっているんですよね。
一度思い切って共感してみると、子供が心を開いてくれるのが分かりました。
解決してあげようと思ってしまいますが、共感して、感情を受け入れてあげるのが必要なんですね。
2.「なぜ、どうして?」は耳を傾けることになっていない
私は「子供の話に耳を傾ける」というのは、「なんで?」「どうして?」と質問して話を聞きだすことだと思っていました。
でも本書では、「なんで?」や「どうして?」は子供を責めたりプレッシャーを与える言葉であって、耳を傾けるというのは、
「怒っているんだね」「悲しいんだね」と状態から共感や理解をすることであって、その理解を示すことによって、子供の話を引き出すスキルであると言っています。
3.子供の立場に立つのは立場を入れ替えたら分かりやすい
子供に言っていることを、旦那さんや、友人に言われたらどうか?という章があります。
先ほどのように、腹が立ったら「怒らないの」と子供には言っていたけど、
旦那にもし、「こんなに腹が立つことがあったの」と言って「それぐらいで怒ったらだめだよ。」と言われたら、きっと1週間口を利かないでしょうし、「嫌なことがあった」と友達に言って「嫌かもしれないけど、人間色々あるんだから我慢する力をつけなきゃ!」などと言われたら、2度と相談するかと思ってしまう…と考えた時、「そうか!子供もそう思ってたのか」とやっと子供の気持ちが理解できました。
他にも沢山の親子間のやり取りがあり、分かりやすくて気づくことが多いです。
特に、下の子が生まれた時、上の子の嫉妬にはどう対処するのが良いかとか、
子供が嘘をついたとき、どんな対応をするといいかなど、一度は親が通る道で迷わないようにしっかり説明してくれています。
この本の一番のおすすめポイント
コミュニケーションスキルが身につくのは、この本の素晴らしい点です。
一度このスキルを身につければ子供だけでなく、旦那さんや友達など、誰にでも効果的に使うことができ、人間関係が良くなることは間違いありません。
ただ、私が一番「読んでみて良かった!」と思った点は、
子育ての自分の中でのルールが明確に決まった!ということです。
それは、「感情はすべて受け入れ、行動は時と場合により制限する。」ということです。
それまでは、何が甘やかしで、どこを厳しくしたらいいのか、自分の中での線引きが難しく、しつけの迷いが多くありました。
本書で、感情はどんな感情も評価せず全て受け入れ「誰にだってそんな考えはあるよ」と言ってあげることが子供を安心させ、状況によって行動を制限しても、子供の感情にあまりダメージを与えることがないことを知って、しっかり子育てのルールができました。
終わりに
子供は花のように育てたいと思っても、親が勝手に色や形を決めて、自分の花を咲かせようとする子供の邪魔をしていることがありますよね。
でもそれは真剣だからこそであって、親の愛情が多い証拠でもあります。そんな前のめりの愛すべき私たち親を正しい状態に引き戻してくれるような本です。
是非ご覧ください。